『笑うカードには福来る』
2024-08-02


<新作落語「夢のトロンボーン」>

「お前さん、このトロンボーン、ネットでいくらで買ったの」
「だから・・・ビンテージものなのに、格安の3万円」
「バカだねえ、ビンテージモノが3万円って、そんなわけないだろ」
「お前は知らないんだよ、これは、アメリカ南北戦争のころの、超レアな楽器なんだから、それを知らない人がネッに出してたんだよ」
「南北戦争だか、東西戦争だか知らないけど、そんなもん売れるわけないだろ、また損して貧乏になるんだよ、ホントに」

「ごめん、ちょっとそこのトロンボーンを見せてくれんかな」
「あ、いらっしゃいませ、そのトロンボーンでしょ、ビンテージモノでして、なんでも南北戦争のころのものだとかで」
「そうだろう、これ、300なら買うが、売ってもらえるかな」
「300?いくらなんでも、300円では売れません」
「何を言っとるか、300、つまり300万円ではどうだ、と言っとる」
「サ、サ、300万円!?、う、売ります、売ります、有り難うございます、で、お支払いは?カードで?すみません、うちは現金払いでお願いしてるんですが」
「現金?現金で300万円は、ちと持ち合わせがない」
「そこんところ、なんとか現金でお願いしたいんですが」
「カードではだめか」
「はい、現金で」

「ちょいと、お前さん、いつまで昼寝してんだい、起きて仕事しなさいよ」
「・・・あ、夢か・・・しまった、カードでもよかった」

そこで本日のひと言、
『笑うカードには福来る』

参考:古典落語/「火焔太鼓」「夢の酒」

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