『新・キャバレーの妖怪 「ベタベタ」』
2025-10-03


<キャバレーの怪談・その1>

うちのキャバレーのピアノは呪われている、そんな噂がメンバーのあいだに立ち始めた。

前の日にいくらきれいに拭いて帰っても、翌日になると、ピアノの鍵盤に気味の悪い粘り気のある液体が、ベットリと付着している、というのだ。

「なんとかしてください!」と、ピアニストは懇願した、頼まれたバンマスは言葉を濁しながらも、「よし、分った」と返事をした。

昼間のキャバレーは、夜の華やかさとは全くの別世界で、暗くジットリとした空気が漂っている、その中にバンマスが入っていくと・・・。

突然、ピアノの音が暗がり中に響き渡った、驚いてピアノの方に目をやると、何か得体の知れない黒い影が、ユラ〜リと揺れている!

バンマスはピアノに近付き、その黒い影に言葉をかけた、
「あんた、昼間来てピアノの練習するのはいいけど、ワンカップの酒、こぼしたらいかんよ、鍵盤がベタベタするって苦情が出てる!」

そこで本日のひと言、
『新・キャバレーの妖怪 「ベタベタ」』

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[ジャズ]

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